この記事は、野のへらぶな釣り(に関わる作業)によって、心を整えられる一例について書いています。
悩みで頭の中がモヤモヤしていて、気持ちを切り替えたいという方向け。
へら師が1年で最もワクワクする季節
2023年3月18日、約1年前の話です。
私はずっと前から予定していた休暇を取り、私の心の癒しのである、野のへらぶな釣りに行ってきました。
3月下旬は、私が1年で最もワクワクする季節。
というのも、この時期は 野のへらぶなの産卵期( へらぶな釣り師の間では、「乗っ込み」と言います)で、産卵前のへらぶなの群れが浅場に大量に入ってくるため、大型のへらぶなが沢山釣れるチャンスがあるからです。
昨年は例年よりも田んぼに水が入る時期が早いようで、川の水位も昨年より2週間早く上がってきました。
川の水位情報って、どのように調べるかご存じですか?
私はへらぶな釣りを始めた頃、まだそんな情報を調べようと思ったことはなかったのですが、
野のへらぶな釣りを通じて仲間が増えてくると、色々と有益な情報を教えて頂けるようになりました。
そこでベテランの方から聞いたのが、川の水位情報というものです。
国土交通省の、水文水質データベースというものがあります。
このデータベースは水文水質にかかわる国土交通省水管理・国土保全局が所管する観測所における観測データを公開することを目的としています。
国土交通省 水文水質データベースホームページ
掲載対象としているデータは、雨量、水位、流量、水質、底質、地下水位、地下水質、積雪深、ダム堰等の管理諸量、海象です。
私が気にしている地元の川の水位がピンポイントで掲載されている訳ではありません。
ですが、幸いなことに、川というのは大河川から中小の支流の河川に繋がっていますので、お目当ての川も大抵は一級河川や二級河川の支流だったりします。
ですので、例えば自分が釣りをする川が繋がっている一級河川で、最も近い場所にある測候所の水位データを確認すれば、対象とする川の水位が上がったか下がったかを知ることが出来ます。
毎年この時期釣行する川に行ってみると、例年竿を出すポイントには既に先行の釣り人が入っていました。
時間もゆっくり目だったため、そんなこともあろうかと予想はしていたので、特に驚きもしませんでした。
代わりに、まだ釣り人が入ってない場所を開拓して、自分専用に釣り座を作ることにしました。
自分専用の釣り座を一から作る
昨年私の釣り仲間がこの時期釣りをした場所に行ってみました。
すると、今年はまだ誰もこの場所で釣りをしてはいないらしく、ぼうぼうに茂った草木が枯れて、竿を出せる状況になっていませんでした。
釣りをしない方からすると、
「こんな場所入れないでしょ。」
と思うような状況です。
ですが、へらぶな釣りをする人達にとってはこの程度の状態はよくあることです。
むしろ、誰も踏み込んでいない場所を自分専用の釣り場に作り上げることも楽しみの一つなんです。
まず、自分を中心として前後左右にどの程度のスペースがあれば、快適に釣りが出来るかを頭の中でイメージし、草を刈る範囲を決めます。
- へらぶな達が泳いでいるのではないかと思う川中のポイントまでの距離を考え、何尺(へらぶな釣り用の竿「へら竿」の長さはメートル(m)ではなく〇尺という言い方をします)の竿を使うか
- 竿に結びつける仕掛けは、竿の長さより数十cm長いので、竿を振った場合に後方や側方にどの程度のスペースがあったら草木に引っ掛からないか
- 自分が座る目の前の水面に枯れた水草や流木などの障害物があった場合、魚が釣れた時に仕掛けが絡まないように藻刈り鎌でかき集めて撤去しておかないと
といった点を考えます。
勿論、実際にやってみて、しっくりこなければ草を刈る範囲を更に拡大したり、後方に高い木があるような場合は、邪魔になりそうな木の枝を切り落としたり、作業を追加することもあります。
私は持参した皮手袋をはめ、水草を刈るための藻刈り鎌の刃の部分を持って草をなぎ倒しながら川めがけて進みます。
枯れた細い草の茎を鎌で切り、竿を振る後方で仕掛けを引っかけてしまいそうな灌木も、太さが数mm程度であれば、のこぎり状のギザギザの刃を持つ藻刈り鎌で切り倒します。
(本当はちゃんとしたのこぎりを持って行くべきなのですが、忘れてしまったのであり合わせの道具を使いました。)
作業時間約30~40分程度。防寒対策をしていたので、作業が完了したころには汗だくでした。
そして出来上がった釣り場はこんな感じです。
水面の際まで草を刈り、竿を出せるスペースが完成。
シンプルな作業に没頭することで心が整う
まだ釣りは始まっていませんでしたが、無心でひたすら目の前の枯草を刈り、刈り取った草を避けたり平らになるように敷き詰めて荷物置き場を作ったり。
直径8cm程度の固い木の幹をのこぎり鎌で切り倒したり。
余計な事を一切考えることなく目の前の単純作業に没頭しました。
この作業は釣りを始めるための下準備に過ぎないのですが、自分の釣り座を自分の手で作り上げた!
という満足感、達成感が得られます。
単純な作業の中にも、
- 目で草木の茂り具合や茎の切るべき場所を見て
- 手で握れる量の草木をつかみ、硬さや弾力を感じ
- 耳で枯れた草木が発する音、自分の足でそれを踏みつける乾いた音、木々の葉が発する音を感じ
- 鼻で草木や土の臭いを感じ
- 作業が終わった後に、昼食として自分が自宅で握ってきたおむすびを(口で)食べる
という五感をフルに活用することで
釣り場に来るまでには、今日はへらぶなが釣れるかな?というワクワク感の一方、日々の仕事や生活の中で蓄積されてきた焦り、不安、苛立ちなどが複雑に絡み合ってモヤモヤした気持ちも抱えていました。
ですが、作業の間に、そんなモヤモヤを頭の中から追い出すことができました。
そして、ザワついていた心が落ち着き(心が整い)、リラックスした状態で釣りを心から楽しむことが出来ました。
その後、本題のへらぶな釣りで一層心が癒されたことは言うまでもありません。(笑)
もしあなたが、日々の生活の中でいつも頭や心の中に悩みや不安がモヤモヤが蓄積しているのであれば、ちょっと外に出て、自然の中でシンプルな作業に没頭してみませんか?
遠出をするのが難しければ、庭で草むしりをする、バルコニーのプランターに花を植えてみる、外の窓ふきをしてみる・・・
そんな身近なことでも良いと思います。
シンプルな作業を黙々とやっていると、余計な悩みや考え事をふっと忘れることが出来るかもしれませんよ。