この記事では、野のへらぶな釣りで大物の魚が沢山釣れると言われ、へらぶな釣り師達が一年で最も心待ちにしている乗っ込み期のある1日の様子を書いています。
へらぶな釣り歴9年目の週末へら師が釣りに行く前から一日の釣りを終えるまで、何を考えているのか、頭の中を披露します。
へらぶなの乗っ込みとは
乗っ込み(のっこみ)とは、一言で言うと、「魚が産卵のために浅場に来る行動」のことを言います。
へらぶな釣り師は皆、毎年この時期をとても心待ちにしています。
この時期になると、普段は警戒心が強く、釣り人の近くの浅場には寄り付かないへらぶな達が、産卵行動のため警戒心が薄れ、水深の浅い、直ぐ手が届くような浅場を泳ぐようになります。
また、産卵前にはへらぶな達の食欲が旺盛になるため、短い竿でも野生のへらぶなが多く釣れる可能性が高まります。
産卵行動では、一匹の抱卵したお腹の大きなメスのへらぶなの後を追って、複数のオスのへらぶな達が群れを成して泳ぎます。
メスのへらぶなは産卵できるまでに育っていますので、普段ならあまりお目にかかれないような大型のメスのへらぶな(ビッグママ)が釣れるチャンスがあります。
へらぶなの乗っ込み時期は、地域によっても異なりますが、私が住んでいる千葉県北西部の場合、近所の川や沼では例年3月の終わり頃からゴールデンウィークあたりになります。
この時期になると、田植えに向けて水田に水を引くため、用水路に水を入れる目的で川の本流の水門が開かれ、用水路が繋がっている川の支流にも水が流れ込んできます。
すると、冬の間は水深が浅かった川の支流の水深が上がり、本流からへらぶな達が遡上してきます。
ただし、水深が上がっただけではまだ乗っ込みは始まりません。
気温の温暖な晴れの日が続き、水温が高くなってくることも条件の一つです。
更には、適度に雨が降って(冷たい雨ではなく、水温が上がるような温かい雨の日であること)川の水に酸素が供給されると更に魚達の活性が上がるようです。
このように、様々な好条件がそろった所で、ようやくへらぶな達の乗っ込みが始まります。
乗っ込みと同じ意味合いの言葉として、「ハタキ」という言葉もへら師の間では使われます。
メスのへらぶなが水草や川岸の藻などに卵を産み付ける際、バシャバシャと水に浮かんだ水草に尾びれを叩きつけることから、ハタキと呼ばれています。
乗っ込みが始まっているかどうかは、川の浅場の枯れた葦や水草の所で草の茎がカサカサを動いたり、魚達がバシャバシャと音を立てていることで分かります。
このバシャバシャの音が彼方此方で盛大に聞こえる時は、まさに乗っ込みのタイミングとなります。
但し、乗っ込みは長い期間ずっと継続しているものではありません。
最も魚が大量に釣れるピークはわずか1日(川によっても異なりますので、あくまで私が通っている近所の川の例です)、その前後の1日では、さほど魚が釣れない場合もよくあることです。
また、注意を要するのは、盛大にハタキが行われる時は、魚達は産卵活動に夢中になっているため、あまりエサを食ってくれないということです。
つまり、ハタキに入ってしまうと、魚達は自分の直ぐ目の前を泳いでいても、ちゃんとハリに付けたエサを食ってくれず、泳いでいる魚の体や口以外の場所にハリが引っかったり、ウキの直ぐ横を魚が泳ぐときに起きる水流によって、ウキがふわっと数節浮き上がったり、逆にじわじわとウキのトップが水中に沈んでいくような現象が起きます。
すると、それをへら師が食いアタリ(魚がエサを食べてハリに掛かること)と勘違いして魚体にハリを引っかけて引っ張ってしまう(スレアタリと言います)ことが多くなります。
へらぶな釣りでは、魚がハリを口にくわえていない状態では、例え魚が釣れても、釣れたとはカウントしないのがマナーです。
このため、ちゃんと魚がハリについたエサを食べて、魚の口にハリが掛かる状態で釣れるためには、ハタキに入る1、2日前に釣り場入りして釣ることを目指します。
私が毎年通っている地元の川の例で言うと、運よくこの一番釣れるタイミングに遭遇出来るのは、3月下旬~4月上旬にかけてのほんの2、3日です。
それも、自然が相手ですから、私のような週末へら師に都合よく、土日に「大当たりの日」がピタリとはまるということはなかなかありません。
ですので、私もこの川ではかれこれ5、6年は乗っ込みの時期に大量を夢見て釣行していますが、生憎ピークの日にタイミングが合ったことは一度もありません。
大抵は、平日も釣りにこれるシニアの方や、平日に仕事が休みの職種の仲間から、数日後に、
あの日は入れパク※で、最高だったよ!
※入れパク:エサを打ちこむと直ぐにアタリがあって魚が釣れる、所謂爆釣状態のこと。
などと情報を聞き、
あーあ、また今年も大当たりには遭遇できなかった!
となるのが毎年の恒例行事になっています。
常連のへら師の方や、私の釣り仲間の情報では、この川の乗っ込みは、2回~3回ほどあるらしく、1回目のハタキが終わり、一旦川の様子が落ち着いた後、また数日後にハタキがあるとのことでした。
この乗っ込みと乗っ込みの間隔も、その年々の気象状況によって変化するので、ピンポイントで大当たりの日を予想することは至難の業です。
今年の乗っ込みのある日のへら師の様子
2024年3月30日、私が毎年乗っ込み期に通っている川へ釣行した日の体験談をお話します。
釣り場到着
釣り場に到着したのは、午前2:33。まだ川は暗闇の中ですが、道路沿いにある街灯の明かりで周囲がうっすらと明るい感じでした。
この時刻、当たり前と思うでしょうが、まだ私以外のへら師は誰も釣り場には居ません。
何故こんな真夜中に釣り場に来ようとしたのか?
それには大きく3つの理由があります。
一つ目は、私のような週末へら師は、平日は会社の仕事で釣りに行くことが出来ませんので、週末の貴重な1日を最大限釣りのために使いたいということです。
二つ目は、自分が釣りをしたいと考えている場所(ポイントと言います)を頭の中にイメージして釣行の計画を立てているので、お目当ての場所に誰よりも早く入るためです。
野釣りの世界では、基本的にはどの場所に入れるかは早い者勝ちというのが暗黙の了解です。
このため、常連であろうが、テレビやYouTubeで有名なプロのへら師であろうが、人気のポイントに先に入ったへら師が居れば、そのへら師を追い出してその釣り場に入るのはマナー違反です。
(例外として、川や沼に勝手に自作の釣り台を造って、他の釣り人が使えないようにしている非常識な常連やへら師もいます。)
三つ目は、乗っ込み期ということで、自分が今まで釣ったことのないような大型のへらぶなが釣れるかもしれない、また、普段ならとても釣れないほど沢山のへらぶなが釣れるかもしれない、という期待でワクワク感が最高潮に達し、とても朝まで寝ていられないほど興奮しているからです。
アラフィフのおじさんが、まるで子供のようにはしゃいで、何やってるの。
釣りに興味のない方からすると、そんな風に思われるかもしれませんが、こういうワクワク感を抱いている釣り人は案外多いかもしれません。
例えば、へらぶな釣りでなくても、海で船釣りをする人などは、朝の出航時刻が5時などということもざらでしょうから、自宅が海から遠い場所に住んでいたら、夜通し車を運転して港迄行く方も結構いますよね?
そこまでして夜寝ずに海を目指して行くというのは、時間に間に合わなければならないから、という理由もありますが、そもそもそんな時間に出航する船に乗ってまで釣りをしたいというワクワク感があるからではないでしょうか。
この記事を読みたい、と思っていただける方はきっと釣りが大好きな方だと思いますので、私の感覚も理解して頂けるのではないかと思います。
釣り場までの移動
目的地の川に到着すると、車から釣りをするポイントまで釣り道具一式を運びます。
私の場合、次のものを持って行きます。
へらバッグ(写真中央の銀色の四角いカバン。中には仕掛け、エサボウル、エサ、万力、その他小物類を収納)
ロッドケース(写真後方のシルバーの横長のバッグ。複数の長さのへら竿、竿掛け、浮きケース、ハリスケース、ハリスメジャー、ハリ外しを収納)
へらクッション(へらバッグの上に置いてある黒くて四角いものです。これを開いて、座布団のように座ります)
釣り台(写真右側の黒い収納バッグの中に入っています)
ヘラパラソル(ロッドケースの後ろ側に見える紫色の収納バッグに入っています)
柄付き玉網(ロッドケースので上に見える赤い棒状のもの)
これらの釣り道具一式の総重量は測ったことがないので正確な値は分かりませんが、体感的には15kg〜20kgほどあるのではないかと思います。
私は心配性なので、ヘラ竿は持っているほぼ全ての長さのもの(8尺〜13尺まで1尺刻み、15、17、19、21、24尺まで計11本)毎回持ち歩きますし、エサも使わないかもしれないものまでヘラバッグに入れています。
だから余計に重いのかもしれません。
左肩にヘラバッグとヘラクッション、右肩に釣り台の収納バッグを掛け、左手にロッドケース、ヘラパラソル、柄付き玉網を持ち、右手は何かあった場合のために空けています。
この荷物を車のトランクから一旦地面に置き、中腰になって、両肩、左手に持ってからヨイショと立ち上がるのですが、結構な重さで体がふらつくことも(笑)。
この釣り場は、車を止められる場所から100mほど歩かなければならないので、車と釣り場を何度も往復するのが辛いため、いつも頑張って1度に全部の道具を運びます。
辺りはまだ暗闇なので、頭にはヘッドランプを装着しています。
たった100mほどの距離でも、そこそこな運動量なので、3月の冷え込んだ夜中でも、釣り場に到着する頃には防寒着の中の体はじんわりと汗ばむこともあります。
この100mを歩く間に何を考えているかと言うと、「重いなぁ」、「肩掛けベルトがずり落ちそう」とか、その日の体調や疲れ具合によっては感じることはあります。
でも、基本的にはそんなことよりも、釣り場に着いてからする段取りを考えていることの方が多いです。
ハタキの音が近くで沢山聞こえているならば、
「今日はへらぶなが岸近くに沢山寄り付いていそうだから、まずは短い竿で岸際狙いのセッティングにしてみようか。」
とか、「ハタキ過ぎているからもう口を使わず、スレアタリになるかもしれない。だから少し長めの竿で、ハタキ待ちで食い気のあるへらぶなを狙ってみようか。」
とか。
つまり今日の釣り初めての戦略を練りながら100mを歩いているんですね。
文章にしてみると、ずいぶん長々と思索を巡らせているように聞こえますが、高々100mの距離ですから、時間にすればほんの1、2分といったところです。
釣り場到着後の準備
お目当てのポイントに到着すると、持ってきた荷物を川に降りる土手の法面に置き、釣り座作りの準備です。
法面には枯れた草が生えていますが、2週間前に今年の乗っ込み期用の釣り座を作るために、周囲の草を刈っておいたので、荷物を置くスペースが出来ています。
まずは真っ先に、釣り台を収納バッグから取り出して組み立てます。
組み立てが終わったら、その日使用する道具やエサ類をへらバックやロッドケースから取り出して一度仮置きします。そして、ヘッドランプの明かりの下で、これらの道具たちを釣りをするための状態に配置していきます。
写真上:エサボウル(赤:水汲み用、青:グルテンエサ作り用)
写真中段:左から順に、スコープの柄と角度調整用万力(黄土色の袋)、万力(巾着状の袋)、小物入れ(板オモリ、タナ取りゴム等収納)、カウンター(黒)、スコープ、へらクッション(小物類が乗っている黒い四角い座布団状のもの)
写真下段:電気ウキ、ハリはずし、ハリスメジャー、エサ3種類(グルテンエサ)、ハリスケース(焦げ茶色の長い箱)
次に、ロッドケースの中から竿掛けと、今日最初に使う長さのへら竿を取り出します。
写真中央の灰色っぽい入れ物がロッドケースです。節のある竹の棒のようなもの2本が竿掛け、黄色っぽい袋(竿袋)に入っているのが、この日最初に使おうと考えていた、長さ17尺(5.1m)のへら竿です。
竿掛けを2本つなぎ、先端部分にY字状の竿枕というパーツを装着、そして万力に装着します。
へら竿は竿袋から取り出し、17尺の竿用の仕掛けを取り出して装着し、電気ウキの脚をウキゴムに差し込みます。
と言う風に、こまごまとしたセットアップをして出来上がった状態がこちら(注:写真は別の日に撮影したもの)です。
エサは作ってから水を吸水するまでに数分時間がかかり、待つことになります。
そこで私は、時間節約のため、へら竿を継いで仕掛け、へら浮きを装着する作業をする前に、あらかじめ各エサを配合し、それぞれのエサが均一に混ざるように粉末状態の内に混ぜてから水を加えて混ぜ込んでおきます。
これらの作業の間、早く釣りを始めたい!と、はやる気持ちを抑えつつ、後々のトラブルを回避するため、一つ一つの作業は出来るだけ丁寧に行うように心がけています。
暗闇の中、ヘッドランプの明かりの前の道具たちを自分が釣りをしやすい配置に置いたり、万力を横木に取り付ける際は、竿をにぎり易いように、横木の中央より右側のちょうど良い位置に万力を締め付けたりと、全て自分が釣りをする際に必要な動作が容易に出来るような最適な場所、置き方を考えています。
でも、そんなに神経を全集中するほど息が詰まる状態ではなく、頭で考えながらも、耳ではへらぶな達が水面をはたく音や、枯草がカサカサ音を立てるのを聴き、時折空の色が変わっていく様子を確認したり、枯草のにおいを感じたりもしています。
全てのセッティングが完了し、エサの準備が出来たらいよいよ釣り開始です。
釣りを始めてからの状態
エサ打ち
エサが十分に吸水し、安定したら、エサボウルの中から少量のエサを指でつまんで、まずは直径1cm~1.5cmほどのダンゴ状、或いは涙型に指で形を整えてハリに付けます。
そしてエサ打ちです。
実際のエサ打ちの様子は以下の動画でご覧ください。
できるだけ、エサが同じ位置に入水するように、気を遣って竿を振ります。
この動画のように、無風状態の時は比較的同じ位置にエサを打ちこむのは比較的容易です。
但し、長い竿を使う場合、釣り座の周囲に枯草や木などの障害物がある場合、そして横風や向かい風が強めに吹いている場合は難易度が格段に高くなります。
私もへらぶな釣り歴は8年になりますが、それでもちょっと気を抜くと自分が意図しない場所にエサが飛んで行ったり、ひどい場合ですと自分の後方の草や木に仕掛けを引っかけてしまうこともあります。
この動画では、エサ打ち1回の様子のみ記録していますが、実際の釣りでは、釣り場のコンディションにもよりますが、朝から夕方まで釣りをしていると、数百回エサを打ちこむこともざらです。
その1回、1回の打ち込みは、自然の中でやっていることですので、環境条件は1つとして同じということはありません。例えば、風が吹く時は、その強さや方向は刻一刻と変化しますし、川の流れの速さや水深も微妙に変化します。
このため、そのような条件変化を頭に入れながら、それでもエサがほぼ同じような位置で着水するように、手を振る力、竿を立てる速さ、仕掛けの道糸にかける張力、エサの水分量や大きさ、握る指の圧力など、様々な変数を微妙に変化させるのです。
あなたは川や沼でへらぶな釣りをしているシニアの方を見た事はありますか?
もしあなたが釣りをしたことがない方だったら、ちょっとの間、その釣りをしている方の後ろに立って、エサを
打ち込んでいる様子を見ていたら、
「何とも単調で単純な動作を繰り返しているものだ。あんなことを長時間やっていて何が楽しいのか理解できない。」
と思うかもしれませんね。
ですが、一見単調な動きをしているように見える動作が、実は釣り人の頭の中で瞬時にその瞬間の状況を判断し、分析し、その状況に応じた最適な動作で自分が決めた場所にエサを打ちこむという、例えロボットにでも真似することが難しい行為を生身の人間が行っているのです。
これがベテラン、名人と言われる方々は、何気なくやっているようにごく自然で無理のない動作に見えるから不思議なものです。
アタリを待つ
エサを打ちこみ、オモリとエサの重さでエサが水中に沈んでいくと、それに合わせてへら浮きもゆっくりと沈んでいきます。
へら浮きの、赤、オレンジ、緑に塗り分けられた目盛り部分をトップと言いますが、このトップは釣りの準備の段階で、エサをつけない状態で仕掛けが水中にぶら下がった状態で、あらかじめ何番目の何色の目盛りを水面すれすれの位置に出すか決めておきます。
これときの水面すれすれに出ている目盛りのことを「エサ落ち目盛り」と言います。この位置を決めておくと、水中でハリに付いてたエサが解けてハリから完全に落ちて空になった状態が分かります。
エサを付けた状態で、仕掛けが水中で完全に真っすぐぶら下がった状態になると、エサ落ち目盛りよりも上の目盛りまでトップが水中に沈みます。
そこから数十秒ほど時間が経過し、ゆっくりとハリに付けたエサが水中で溶けだして行ったり、魚がエサを食ったり、突いたり、体が触ってエサの一部が落とされると、背負っている重さが軽くなってきたへら浮きは、少しづつ水面の方に上昇してきます。
魚がエサを吸い込むと、へら浮きのトップの目盛りが鋭くチクッと水中に引き込まれたり、エサを加えて水中を上に泳ぎあがってくると、逆にトップが突然上に浮き上がってきたりという変化が見られます。
へら師達は、このような浮きのトップの繊細な変化を読み取って、魚のアタリかどうかを判断して、魚の口にハリを完全に引っかけるように、竿を素早く持ち上げ(アワセ)る動作をします。
エサの打ち始めは、まだへらぶな達がエサの周りに寄ってきていないため、へら師達はまず繰り返しエサ打ちををして、へらぶな達をエサの近くにおびき寄せるようにします。これを、「寄せる」と言います。
この寄せるための時間は、その時の釣り場のコンディションによってまちまちで、数投エサ打ちをしただけでアタリが貰えることもあれば、数十分や、はたまた数時間エサ打ちを繰り返してもアタリが貰えないこともあります。
魚がいる気配があるにも関わらずアタリが貰えない場合は、へらぶながエサを食わない何等かの理由があるため、へら師達は、これまでの自分の経験や、釣り場の常連へら師の情報などを頼りに釣り方を様々に修正してアタリを貰える努力をします。
この駆け引きこそが、へらぶな釣りの難しさであり、最大の面白さでもあります。
へらぶなが釣れた!
様々な工夫を凝らし、自分の戦略が功を奏してへらぶなが釣れた時の爽快感はひとしおです。
特に、野生のへらぶな達は皆元気で、力強い引きをするので、その躍動感、重量感を感じながら、右に左に抵抗して泳ぎ続けるへらぶなを、竿をコントロールしていなし、竿を持つ手と逆側の手に持った玉網に収めるまでのスリルは堪りません。
自分の釣り座の両側には枯れた葦が生えていて、竿のコントロールを誤ると、ちょっとしたスキをついてへらぶなは蘆の中に泳ぎ込み、仕掛けが蘆に引っ掛かった瞬間に口からハリが外れて逃げてしまうこともあります。
このため、最後の最後まで慎重に竿をコントロールし、魚を網の中に泳ぎ込ませる必要があります。